モールド
熱収縮チューブ
カートリッジヒーターとは、金属パイプの中心に、棒状のセラミックに巻き付けた発熱線を挿入し、それらの隙間を熱伝導性と絶縁性に優れたMgOパウダーで封じ込めた棒状ヒーターです。用途は半導体製造装置、医療機器、包装機械、分析機器、美容機器など、様々な装置、機器に使用されています。コンパクトで精密さが特徴の電気ヒーターです。
約50年前にドイツの技術を取り入れ、国内で改良を重ねた河合電器のカートリッジヒーターの安定性は群を抜いています。リード線が切れる、ヒーターの絶縁が悪いなどでお困りの際は、ぜひお問い合わせください。また、UL規格やCEマーキングにも対応可能です。
技術的なご相談、製作可否、お見積りなど、お気軽にお問い合わせください。
絶縁性能の高いMgOパウダーを使用しており、高湿度雰囲気中でも絶縁の劣化は全くありません。梅雨時期でも予備乾燥は不要です。(ヒーター表面温度MAX400℃などの条件はあります。)
ヒーター外径は、被加熱物と密着性を高めるため、呼び径に対し-0.02~- 0.08mmの範囲で研磨加工してあります。
カートリッジヒーターの特長を活かして高電力密度を実現可能です。他のヒーターと比べ、立ち上がり時間の短縮や、省スペース化が可能です。
金属パイプは主にSUS、インコロイ、チタンなどが一般的で、使用する環境によって適切なものを選ぶことができます。
断線予防や真空中での使用など、要件に適した様々な加工オプションに対応しています。
完全受注生産でご対応しているため、ヒーター長1mm単位、電気容量1W単位での仕様指定ができます。
UL規格、CEマーキングに対応可能です。
※ULファイルNo:KSOT2.E303825
RoHS指令(2011/65/EU)が禁止している、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE、フタル酸エステル類4物質は含有していません。(規制適応除外用途を除く)
など上記以外にもさまざまな用途に対応できます。
カートリッジヒーターの発熱原理は抵抗加熱となります。抵抗加熱とは、抵抗に電流を流し、熱を発生させる方式のことを言います。抵抗で消費された電力はすべて熱に変換されるため、効率がとてもよく、電流を流すだけのシンプルな方式です。燃焼加熱のような排ガスもないため、非常にクリーンな特徴があります。
カートリッジヒーターの場合、抵抗にあたるのがニクロム線です。ニクロム線に電流を流してニクロム線が発熱します。簡単に言うと、ニクロム線に電圧を加えることで、ニクロム線内部で電子とニクロム線の中にある原子がぶつかり合い、激しく振動を起こすことで熱が発生します。
1絶縁スリーブ
絶縁スリーブは連続250℃まで耐える構成も可能。(標準品は180℃)
2セラミックプラグ
先端はセラミック硝子によって電極間・電極とメタルシース間との沿面距離(絶縁距離)を確保。
3発熱コイル
電熱線は最高級のニクロム線(Ni80Cr20)を使用、シース内壁に近接して配置しているため、電熱線の温度は低く抑えられ、長寿命を可能にしている。
4ニッケルターミナル
高品質のニッケルターミナルは、高い温度における発熱コイルとの接続を完全なものに。
6MgOパウダー
最高の熱伝達と高温絶縁特性の優れた高純度MgO層は、発熱コイルから発生する熱を独特の熱移動効果によって外部シースへと伝導。
3発熱コイル
電熱線は最高級のニクロム線(Ni80Cr20)を使用、シース内壁に近接して配置しているため、電熱線の温度は低く抑えられ、長寿命を可能にしている。
5メタルシース
標準HLPは耐熱ステンレス鋼を使用。インコロイ800等の超耐熱合金や、SUS316L等のような液体用ステンレス鋼を用途に応じて選択。
6MgOパウダー
最高の熱伝達と高温絶縁特性の優れた高純度MgO層は、発熱コイルから発生する熱を独特の熱移動効果によって外部シースへと伝導。
7セラミックコア
過酷な使用条件に耐えるよう、特に高温絶縁特性の高いコアを使用。
8エンドディスク
シースと完全溶接し、完全密閉なので液体用ヒーターとしても最高の性能を発揮。
図のように、発熱するニクロム線が金属パイプの中でセラミックのコアを主軸として螺旋状になって配置されており、金属パイプとニクロム線の隙間にはマグネシアと呼ばれる絶縁するための粉末が入っています。図の上部にあるリード線部分に電気を流すとニクロム線が発熱し、金属パイプに熱が伝わって表面が熱くなる仕組みです。マグネシアがあることで金属パイプには電気は流れず、感電することはありません。カートリッジヒーターの原理・特徴
河合電器のヒーターは、お客さまのご使用環境に合わせて全てオーダーメイドで製作しています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
電気特性 | 許容公差 | 消費電力(W)±10% (φ3.1mmは+10 ~ -15%) |
---|---|---|
耐電圧 | 1500V/1分間 (φ6.25 ~ 6.5㎜:1400V/秒、φ6㎜:1200V/秒、φ5㎜:500V/秒、φ3.1㎜:250V/秒) |
|
絶縁抵抗値 | 1000MΩ/DC500V (環境によって100MΩ/DC500V程度まで落ちる場合があります) |
|
標準ヒーター径[mm] | φ3.1、φ5、φ6、φ6.5、φ8、φ10、φ12、φ13、φ14、φ15、φ16、φ18、φ19、φ20、1/8″(3.07)、1/4″(6.25)、3/8″(9.42)、1/2″(12.6)、5/8″(15.77)、3/4″(18.95) ※上記、標準ヒーター径以外でも対応できます。 [標準公差] -0.02 ~ -0.08(メートル外径タイプ) 0.00 ~ +0.05(インチ外径タイプ) |
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長さ | 17.5 ~ 2000mm (外径との組み合わせによっては対応できない場合があります) |
電気特性 | |
許容公差 | 消費電力(W)±10%(Φ3.1mmは+10 ~ -15%) |
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耐電圧 | 1500V/1分間(Φ6.25 ~ 6.5㎜:1400V/秒、φ6㎜:1200V/秒、φ5㎜:500V/秒、φ3.1㎜:250V/秒) |
絶縁抵抗値 | 1000MΩ/DC500V(環境によって100MΩ/DC500V程度まで落ちる場合があります) |
標準ヒーター径[mm] | |
φ3.1、φ5、φ6、φ6.5、φ8、φ10、φ12、φ13、φ14、φ15、φ16、φ18、φ19、φ20、
1/8″(3.07)、1/4″(6.25)、3/8″(9.42)、1/2″(12.6)、5/8″(15.77)、3/4″(18.95)※上記、標準ヒーター径以外でも対応できます。[標準公差]
-0.02 ~ -0.08(メートル外径タイプ) 0.00 ~ +0.05(インチ外径タイプ) |
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長さ | |
17.5 ~ 2000mm(外径との組み合わせによっては対応できない場合があります) |
シース材質 | 許容温度 | 用途 |
---|---|---|
インコロイ | 900℃ (850℃以上の使用は金型に入れた場合に限る) |
高温用 |
SUS321 | 760℃ | 金属ブロック、空気加熱用 |
SUS316L | 760℃ | 水用、油用 |
シース材質 | インコロイ |
---|---|
許容温度 | 900℃(850℃以上の使用は金型に入れた場合に限る) |
用途 | 高温用 |
シース材質 | SUS321 |
---|---|
許容温度 | 760℃ |
用途 | 金属ブロック、空気加熱用 |
シース材質 | SUS316L |
---|---|
許容温度 | 760℃ |
用途 | 水用、油用 |
シール材質 | シール部温度 |
---|---|
ガラス | 200℃以下 |
エポキシ | 150℃以下 |
シリコン | 200℃以下 |
セラミック | 許容温度なし |
シール材質 | ガラス |
---|---|
シール部 温度 |
200℃以下 |
シール材質 | エポキシ |
---|---|
シール部 温度 |
150℃以下 |
シール材質 | シリコン |
---|---|
シール部 温度 |
200℃以下 |
シール材質 | セラミック |
---|---|
シール部 温度 |
許容温度なし |
カートリッジヒーターの寿命はヒーターと被加熱物との密着度合いによって大きく左右されます。特に高電力密度の場合、クリアランス(すき間)が大きいと、ヒーターの熱が被加熱物に伝わらず、ヒーターが異常発熱してしまいます。よって、電力密度が大きくなるほど、また被加熱物温度が高くなるほど、穴加工の精度を上げてください。
JIS B 0401-2より、穴に対する許容差H7を推奨します。それに準じ、ヒーター外径は-0.02 ~ -0.08mmの公差範囲で製作しています。
ヒーター径 | 3mm超 6mm以下 |
6mm超 10mm以下 |
10mm超 18mm以下 |
18mm超 30mm以下 |
---|---|---|---|---|
穴加工公差 | +12μm 0μm |
+15μm 0μm |
+18μm 0μm |
+21μm 0μm |
ヒーター径 | 穴加工公差 |
---|---|
3mm超 6mm以下 |
+12μm 0μm |
6mm超 10mm以下 |
+15μm 0μm |
10mm超 18mm以下 |
+18μm 0μm |
18mm超 30mm以下 |
+21μm 0μm |
(例)
ヒーター径 | φ10mm(-0.02 ~ -0.08mm) → 9.92 ~ 9.98mm |
---|---|
穴径 | φ10mm(+0.015 ~ 0mm) → 10 ~ 10.015mm |
クリアランス | 0.02 ~ 0.095mm |
加工穴内面のマシン油やグリースは完全に除去してください。ヒーターが発熱した際に残留油脂分が燃焼し、炭化して熱の不良導体となり、局部的な異常加熱が発生します。よって、熱伝導の効率やヒーターの寿命が極端に悪くなります。
ヒーターの過加熱を防ぐため、できるだけヒーターに近い位置に設置することを推奨します。一般的にはヒーターと温度センサーの距離は5mm前後が適切です。
使用中のリード線部に屈曲動作を加えないでください。
リード線部は180℃以下の雰囲気で使用してください。
漏電や感電を防ぐため、蒸気や水がかかる環境、腐食性のある環境での使用は避けてください。ただし、モールドタイプや熱収縮チューブタイプを選ぶことで防水・防滴構造にすることも可能ですのでお気軽にご相談ください。
河合電器のヒーターは、お客様のご要望に合わせて個別に設計されていますので、納入仕様書や図面に記載されている用途以外での使用は避けてください。
定格電圧以外では使用しないでください。
納入仕様書や図面に記載されている使用温度を超える温度での使用は避けてください。
火傷などの事故を防止するため、使用中のヒーターを取り外す場合は、まず電源を切り、ヒーターの温度が常温に下がっていることを確認してから行ってください。
製品に後加工を加えることは避けてください。予期せぬ不具合に繋がる恐れがあります。
高温多湿環境で保管した場合、ヒーターの性能や寸法に影響を与える場合があります。
現在使用している他社製のカートリッジヒーターは、長期保管後に絶縁性能が低下してしまいます。河合電器のカートリッジヒーターに切り替えることで絶縁性能の低下を改善できますか?
河合電器のカートリッジヒーターは長期保管にも耐えうる高い絶縁性能が強みです。高湿度雰囲気中でも絶縁の劣化は発生せず、梅雨時期であっても使用前の予備乾燥は不要です。(ただしヒーター表面温度MAX400℃などの条件はあります。)
洗浄時にヒーターに水がかかってしまう場合があります。どのようなタイプのカートリッジヒーターを選んだら良いですか?
モールド
熱収縮チューブ
金型挿入口部分からリード線をすぐに曲げたいのですが、対応は可能ですか?
スウェッジドイン
カートリッジヒーターを取り付けた金型が頻繁に移動するためリード線への負荷が心配です。断線を予防する方法はありますか?
Y金具
被加熱物が回転する場合、どのように結線すればよいでしょうか?
スリップリングでの結線をお勧めします。
500℃以上の高温で金型を使用する予定ですが、絶縁性能が低下することはないですか?
河合電器のカートリッジヒーターは、高温域での使用を前提とした設計を行うことで、絶縁性能を最大限確保することができます。ただし条件によっては絶縁性能の限界もありますので、詳しくはお問い合わせください。
現在使用しているカートリッジヒーターのワット数だけを変更したいのですが、対応可能でしょうか?
可能です。河合電器ではお客様のご要望に応じてオーダーメイドで製作していますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
RoHS指令等、環境に対する規制が厳しくなってきていますが、河合電器のカートリッジヒーターは問題ありませんか?
河合電器のカートリッジヒーターはRoHS指令10物質(2011/65/EU)に対応していますのでご安心ください。
金型の温度ムラが目立つのですが、何か良い解決方法はありませんか?
均熱化は河合電器が得意とするところです。解決方法の一例として、ヒーター内で熱勾配をつけ、放熱が多い金型の端等の温度を上げることによって、温度のバラつきを減少させることができます。他にも河合電器のHSP(ヒート・シミュレーション・パッケージ)や、Peacott 熱流制御シートによるご提案も可能です。
最終製品ではUL規格の認証取得をする予定ですが、カートリッジヒーターという部品単位でUL規格の認証を取得しておくメリットはありますか?
カートリッジヒーターという部品単位でUL規格の認証を取得しておくメリットは大いにあります。理由は、最終製品のUL規格の認証取得のハードルが下がることに加え、審査に要するトータルコスト(費用・期間)を節約できるからです。以下のページにて詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
▶UL規格認証オーダーメイド・ヒーター
温度センサーを取り付けることは可能ですか?
可能です。熱電対や測温抵抗体、サーミスタ等、ご希望のものをご相談ください。
ヒーターを取り付けたい実機の図面がなく、正確な寸法がわからないのですが、対応は可能ですか?
ヒーター以外に、温度センサーや温度調節器など、周辺機器の導入も検討しているのですが、ご提案いただくことは可能ですか?
製品の寿命はどれくらいですか?
製品サンプルを頂くことはできますか?
試作のコストを最小限にする方法はありますか?
どんなヒーターを導入すればよいかわからないため、ヒーターの選定から相談することはできますか?
他社製ヒーターの修理を依頼することはできますか?
ヒーターを購入するかどうかは決まっていないのですが、熱に関することで技術的なアドバイスを頂くことはできますか?
1点からでも購入できますか?
1点あたりの価格はいくらぐらいですか?
標準品として在庫を持っている製品はありますか?
ヒーターを購入する際、河合電器との直接取引は可能ですか?販売代理店等はありますか?
納期はどれくらいですか?
河合電器ではヒーターの製造・販売以外に、技術的なアドバイスなどを通して、
幅広くお客さまのものづくりに貢献させていただいております。
「液体封入容器のフィルムシール機用のホットプレートを設計...
お客様のエンドユーザー様より、アメリカ向け半導体製造装置...
「省エネルギー活動の一環でホットプレートの新規開発を検討...
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医療機器の輸出に力を入れたいとお考えのお客さまからのご相...
以下より製品カタログのPDFファイルをダウンロードしていただけます。 ※資料請求フォームよりご請求いただけるものと同一の内容です。
PDF形式/16ページ
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