シーズヒーターとは、金属パイプの中心に発熱コイルを挿入し、金属パイプと発熱コイルの隙間をMgOパウダーで固めた直管構造の電気ヒーターです。用途は空調機器、暖房機器、厨房機器、理美容機器、半導体製造装置など、様々な設備、装置に使用されています。気体、液体、固体と加熱対象に合わせたオプションの多い電気ヒーターです。
河合電器では長年にわたり家電製品向けシーズヒーターを提供してまいりました。家電製品で培ったノウハウを基に、各種産業機器向けに高品質なシーズヒーターを提供しております。また、UL規格やCEマーキングにも対応可能です。
技術的なご相談、製作可否、お見積りなど、お気軽にお問い合わせください。
水用、塩水用、特殊環境用など、さまざまな環境に対応した表面処理により、優れた耐食性を持っています。
河合電器独自の特殊な封口処理で、湿気の浸入を妨げることにより、抜群の絶縁性を持っています。
金属パイプは主にSUS、NCF800相当、チタン、鉄(銅メッキ)、銅などが一般的で、使用する環境によって適切なものを選ぶことができます。
柔軟な曲げ加工が可能です。限られたスペースの内でヒーターを配置したい場合や、熱を伝わりやすくしたい場合などに効果を発揮します。
モールド、フィン、鋳込み、フランジ、ブッシングなど、多種多様な加工オプションに対応しています。
UL規格、CEマーキングに対応可能です。
※ULファイルNo:KSOT2.E303825
RoHS指令(2011/65/EU)が禁止している、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE、フタル酸エステル類4物質は含有していません。(規制適応除外用途を除く)
シーズヒーターの発熱原理は抵抗加熱となります。抵抗加熱とは、抵抗に電流を流し、熱を発生させる方式のことを言います。抵抗で消費された電力はすべて熱に変換されるため、効率がとてもよく、電流を流すだけのシンプルな方式です。燃焼加熱のような排ガスもないため、非常にクリーンな特徴があります。
シーズヒーターの場合、抵抗にあたるのがニクロム線です。ニクロム線に電流を流してニクロム線が発熱します。簡単に言うと、ニクロム線に電圧を加えることで、ニクロム線内部で電子とニクロム線の中にある原子がぶつかり合い、激しく振動を起こすことで熱が発生します。
1端末封口材
ヒーター端末を絶縁する部分。使用温度、使用状況に応じて封口材を選定する。
2金属パイプ(メタルシース)
伝導してきた熱を放出する部分。使用状況、雰囲気に応じてシースの種類を選定する。
3ターミナルピン
ヒーターの電極となる部分で、非発熱部(コールドエンド)となる。
4MgOパウダー(マグネシア)
最高の熱伝導と高温絶縁特性に優れた高純度MgO層は、発熱コイルから発生する熱を独特の熱移動効果によって外部シースへと伝導させる。
5発熱コイル
発熱コイルは最高級のニッケルクロム合金線(Ni80 Cr20)を使用し、シースの中心に配置することで、シースとの距離が一定となり、優れた耐電圧性を実現。
2金属パイプ(メタルシース)
伝導してきた熱を放出する部分。使用状況、雰囲気に応じてシースの種類を選定する。
4MgOパウダー(マグネシア)
最高の熱伝導と高温絶縁特性に優れた高純度MgO層は、発熱コイルから発生する熱を独特の熱移動効果によって外部シースへと伝導させる。
図のように、発熱するニクロム線が金属パイプの中で螺旋状になって配置されています。金属パイプとニクロム線の隙間にはマグネシアと呼ばれる絶縁するための粉末が入っていますので、金属パイプには電気は流れず感電することはありません。両側の端子部分に電気を流すとニクロム線が発熱し、金属パイプに熱が伝わって表面が熱くなる仕組みです。 シーズヒーターの原理・特徴
河合電器のヒーターは、お客さまのご使用環境に合わせて全てオーダーメイドで製作しています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
ヒーター径 | φ6.5mm、8mm、10mm、12mm、14mm、16mm |
---|---|
長さ | 250 ~ 4480mm |
シース材質 | 最小曲げR[mm] | 許容温度 | 用途 | |
---|---|---|---|---|
L曲げ | U曲げ | |||
NCF800相当品 | φD×2.5 | φD×3.0 | 850℃ | 高温用 |
SUS321 | φD×2.0 | φD×2.3 | 760℃ | 空気加熱用 |
SUS316L | φD×2.0 | φD×2.3 | 760℃ | 水用、油用 |
鉄(銅メッキ鋼管) | φD×2.0 | φD×2.3 | 400℃ | 油用、鋳込み用 |
銅 | φD×2.0 | φD×2.5 | 200℃ | 水用 |
アルミ | φD×2.0 | φD×2.5 | 300℃ | 鋳込み用 |
シース材質
NCF800相当品 | ||
---|---|---|
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.5 |
U曲げ | φD×3.0 | |
許容温度 | 850℃ | |
用途 | 高温用 | |
SUS321 | ||
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.0 |
U曲げ | φD×2.3 | |
許容温度 | 760℃ | |
用途 | 空気加熱用 | |
SUS316L | ||
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.0 |
U曲げ | φD×2.3 | |
許容温度 | 760℃ | |
用途 | 水用、油用 | |
鉄(銅メッキ鋼管) | ||
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.0 |
U曲げ | φD×2.3 | |
許容温度 | 400℃ | |
用途 | 油用、鋳込み用 | |
銅 | ||
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.0 |
U曲げ | φD×2.5 | |
許容温度 | 200℃ | |
用途 | 水用 | |
アルミ | ||
最小曲げR [mm] | L曲げ | φD×2.0 |
U曲げ | φD×2.5 | |
許容温度 | 300℃ | |
用途 | 鋳込み用 |
シール材質 | ガラス |
---|---|
シール部 温度 |
200℃以下 |
シール材質 | エポキシ |
---|---|
シール部 温度 |
150℃以下 |
シール材質 | シリコン |
---|---|
シール部 温度 |
200℃以下 |
シール材質 | シール部温度 |
---|---|
ガラス | 200℃以下 |
エポキシ | 150℃以下 |
シリコン | 200℃以下 |
液体加熱用のシーズヒーターは、発熱部が液体より露出しないように使用してください。発熱部が液体より露出してしまうと、シーズヒーターが正しく機能せず、空焚きになる恐れがあります。想定外の空焚きはシーズヒーターを過度に高温にし、非常に危険な状況を引き起こす可能性がありますので十分にご注意ください。ただし空気加熱用のシーズヒーターであれば問題ありません。
漏電や感電を防ぐため、蒸気や水がかかる環境、腐食性のある環境での使用は避けてください。ただし、モールドタイプを選ぶことで防水・防滴構造にすることも可能ですのでお気軽にご相談ください。
河合電器のヒーターは、お客様のご要望に合わせて個別に設計されていますので、納入仕様書や図面に記載されている用途以外での使用は避けてください。
定格電圧以外では使用しないでください。
納入仕様書や図面に記載されている使用温度を超える温度での使用は避けてください。
火傷などの事故を防止するため、使用中のヒーターを取り外す場合は、まず電源を切り、ヒーターの温度が常温に下がっていることを確認してから行ってください。
製品に後加工を加えることは避けてください。予期せぬ不具合に繋がる恐れがあります。
高温多湿環境で保管した場合、ヒーターの性能や寸法に影響を与える場合があります。
他社製のシーズヒーターを700℃で使っていたら断線しました。700℃の温度域で使えるシーズヒーターはありますか?
河合電器では800℃まで昇温可能なシーズヒーターを製作できます。ただし条件もありますので、詳しくはお問い合わせください。
他社製のシーズヒーターを使っていたら表面がサビてしまいました。サビに強いシーズヒーターはありますか?
金属ですのでサビを完全に防ぐことはできませんが、適切な表面処理を施すことで、耐食性・防錆性を向上させることが可能です。水用、塩水用、特殊環境用、蒸気用など様々な表面処理方法がありますので、お気軽にご相談ください。
他社製のシーズヒーターを長期保管後、電源を入れたところ、漏電によりブレーカーが落ちました。シーズヒーターの漏電を防止するための対策はありますか?
河合電器のシーズヒーターは、特殊な封口処理で湿気の侵入を防ぎ、高絶縁性を維持することで漏電を予防することが可能です。
評価試験を行っていただきたいのですが、対応は可能ですか?
可能です。JIS試験、耐久試験等、お客様のご指定により評価試験を実施させていただきますので、お気軽にご相談ください。
実機の立ち上がり時間を短くしたいのですが、高出力のシーズヒーターは作れますか?
可能です。高出力を実現するためにはヒーター表面の電力密度を大きくする必要があります。使用状況によって設計基準値が異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
水がかかる環境下でシーズヒーターを使いたいのですが、適したヒーターはありますか?
リード線接続部分に水が入る場合は、その部分にモールド加工を施すことで、防水・防滴構造にすることが可能です。
立体的に曲げ加工をすることはできますか?
可能です。ただし構造的に不可能な場合もありますので、まずはお問い合わせください。
RoHS指令等、環境に対する規制が厳しくなってきていますが、河合電器のシーズヒーターは問題ありませんか?
河合電器のシーズヒーターはRoHS指令10物質(2011/65/EU)に対応していますのでご安心ください。
最終製品ではUL規格の認証取得をする予定ですが、シーズヒーターという部品単位でUL規格の認証を取得しておくメリットはありますか?
シーズヒーターという部品単位でUL規格の認証を取得しておくメリットは大いにあります。理由は、最終製品のUL規格の認証取得のハードルが下がることに加え、審査に要するトータルコスト(費用・期間)を節約できるからです。以下のページにて詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
▶UL規格認証オーダーメイド・ヒーター
温度センサーを取り付けることは可能ですか?
可能です。熱電対や測温抵抗体、サーミスタ等、ご希望のものをご相談ください。
ヒーターを取り付けたい実機の図面がなく、正確な寸法がわからないのですが、対応は可能ですか?
ヒーター以外に、温度センサーや温度調節器など、周辺機器の導入も検討しているのですが、ご提案いただくことは可能ですか?
製品の寿命はどれくらいですか?
製品サンプルを頂くことはできますか?
試作のコストを最小限にする方法はありますか?
どんなヒーターを導入すればよいかわからないため、ヒーターの選定から相談することはできますか?
他社製ヒーターの修理を依頼することはできますか?
ヒーターを購入するかどうかは決まっていないのですが、熱に関することで技術的なアドバイスを頂くことはできますか?
1点からでも購入できますか?
1点あたりの価格はいくらぐらいですか?
標準品として在庫を持っている製品はありますか?
ヒーターを購入する際、河合電器との直接取引は可能ですか?販売代理店等はありますか?
納期はどれくらいですか?
河合電器ではヒーターの製造・販売以外に、技術的なアドバイスなどを通して、
幅広くお客さまのものづくりに貢献させていただいております。
以下より製品カタログのPDFファイルをダウンロードしていただけます。 ※資料請求フォームよりご請求いただけるものと同一の内容です。
PDF形式/28ページ
(2.4MB)
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