2024.04.25
熱コラム
Peacott熱流制御シートを熱盤の冷却プロセスで活用するための熱解析をしてみた
冷却時間の短縮×Peacott 熱流制御シート
最近、「温度ムラ・温度ばらつきを何とかしたいけど、均熱化にはどんな方法があるの?」とお問い合わせいただく事が増えてきました。そして、熱コラムに「熱盤の温度ムラを解決する方法3選!」と題した記事を掲載しました。
その後、更なるご質問で「ホットプレートの冷却時間を短縮する方法はないの?」とご相談を頂きました。そこで今回は、コンピューターシミュレーション(熱解析)を活用し可視化する事で、新製品Peacottを用いる事による冷却時間の短縮効果を検証しました!是非最後までご覧いただけますと嬉しいです。
1.解析条件
■想定シーン
・加熱後(ワーク300℃制御)、冷却プロセスとして、ヒーターOFFと同時に水冷をスタート。
・冷却プロセス開始から1800sまでの温度変化を確認。
■解析条件
・室温(初期温度):20℃
・環境圧力:大気圧
■解析モデル仕様
■水冷仕様
・流体は水
・φ8流路、重量流量0.0166kg/s、流入水温-20℃
■温度測定位置
・①は中心位置
・②③は端面から20mm内側にオフセットした位置
・④は端面から80mm内側にオフセットした位置
2.解析結果
Peacottの導入有無で冷却時間に差があることが確認出来ました。ピーク温度が10℃以下になる条件では、Peacottを付けることで約50%(600秒から300秒)早く降温させることができました。
コンター図を確認すると、Peacottなしでは中央部に熱が溜まっていることが確認できます。
3.まとめ
本モデルではPeacottの高い熱輸送能力が中央部の熱を効率よく水冷管に伝達させ、結果として冷却速度を速めることが確認出来ました。一方、今回の冷却モデルは中央に配管流路を設けなかったため、より効果の差が大きくなった可能性があります。また、プレート材質など、あくまでも本解析条件下の場合の結果であって、必ずしもこの様な結果を保証できる訳ではありません。ご参考として受け取って頂けますと幸いです。
4.Peacott製品紹介
■Peacott製品案内
・Peacott 熱流制御シート(特許出願中)
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5.HSP(ヒート・シミュレーション・パッケージ)サービス紹介
今回活用した解析技術は、HSP(ヒート・シミュレーション・パッケージ)として、これまで90年以上ヒーターの開発や製造に携わってきた河合電器だからできる再現性の高い解析サービスで実際に用いている技術です。手計算では求められない複雑な熱移動も忠実にシミュレートし可視化しますので、複雑かつ高度な熱制御も高い精度で実現可能です。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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