COLUMN

2023.09.14

熱コラム

熱盤の温度ムラを解決する方法3選!

カーボンニュートラルで温度ムラ改善が必要?

最近、「温度ムラ・温度ばらつきを何とかしたいがどんな方法があるの?」とお問い合わせいただく事が増えてきました。お問い合わせが増えた理由の一つにお客様のカーボンニュートラルに向けた動きがあります。

例えば、電気使用量の大きい設備として熱プレス機があります。熱プレス機では、樹脂などを目的の形状にする為に「温度・熱・時間」をコントロールする技術が求められます。ここで熱は、“温度”として管理されます。従来はおおよその温度で良かったものが、再利用しやすい材料に置き換わることで、温度管理が厳密に必要になる場面が増えてきました。また、熱プレス機の消費電力が大きすぎることから、プレス機自体の省エネルギー化の動きもあります。

また、社内ノウハウの伝承不足も課題としてあります。従来は社内でヒーターに詳しい同僚がおり、カンコツで温度分布が成立していたが、退職されて詳しい方がいなくなった。その結果、カンコツの結果だけが伝承され、設計思想が無いため、新製品の設計が出来ない場合があります。

温度ムラを解決する方法3選!

弊社がお客様にご提案する代表的な温度ムラの解消方法を3種類ご紹介させていただきます。ヒーターの種類自体は世の中に無数に存在し、簡単に大別すると面状と棒状に分かれます。どのヒーターを選定するかは、ワークの目標温度や環境等を確認した後に判断します。例えば、弊社ラインナップ商品の代表例でもこれだけ確認できます。

お客様の装置によって細かい構成は変わりますが、多くの場合、以下の様な装置構成が一般的です。いずれもボルト等で機械的な固定が一般的です。

解決方法① できる限り“面状ヒーター”を選定する。

面状ヒーターを第一に考えることが最も温度分布改善には確実です。面状ヒーターは面状に加熱が出来るため、均等に加熱しやすいメリットがあります。一方、棒状ヒーターの場合は、線で加熱する為、均熱には不向きです。更に、棒状ヒーターの数に応じて、リード線数が増える為、取り回しの安全性の観点からも面状ヒーターが推奨されます。

解決方法② ヒーター容量に粗密の分布を設ける。

加熱対象ワークの温度分布は端面が最も温度が下がる傾向があります。それは、放熱量は表面積に比例する為です。この放熱バランスの偏りを解消するために、一般的にヒーター容量が密な部分と粗な部分を設けます。これにより温度安定時に温度がより一定になります。この点においても、棒状ヒーターに比べ、面状ヒーターの方が任意に発熱分布設計しやすい特徴があります。

解決方法③ ヒーターの制御チャンネル数を増やす。

ホットプレートをヒーターで製作する場合、ヒーターは複数個使う場合があります。この時、複数個のヒーターを1チャンネルで制御してしまうと外乱などの影響により温度ばらつきが生じる可能性があります。その為、ヒーターは少なくとも2チャンネル以上あると、様々な外乱に対して対応しやすくなります。また、チャンネル同士が干渉しないように、センサー位置は制御したいヒーターと近い位置にあることが望ましいです。

この様な3つのポイントに注意頂き、設計することで、温度ムラの課題解決がしやすくなると思います。

しかし、実際に検討してみると・・・

  • 想像していたよりも検討する範囲項目が多く、時間が取れない。
  • 検討はしたものの、実際は実験をしないと結果が分からない為、スケジュールが読めない。
  • 社内でシミュレーションしたものの、上手くいきそうにない。

その様な課題をお考えになられるお客様が多い事も事実です。
そこで弊社は、Peacott 熱流制御シート(均熱シート)を開発・サービスを開始しました。

誰もが温度ムラの課題を解消できるアクセサリー“Peacott”

Peacottは、誰もが温度ムラの課題を簡単に解消して欲しいという想いから生み出した新商品です。この商品は、面状ヒーター・棒状ヒーター問わず、ワーク(温度分布が必要な場所)とヒーターの間に挟むことで、ワーク表面温度分布を簡単に良くすることが可能です。更に温度分布だけでは無く、温度安定時間の短縮化も可能であることから、装置省エネルギー化も期待できます。

Peacottの特徴

均熱性

■最大温度差1%以下を実現(※実証実験に基づく)
高効率の熱伝導性能により、優れた均熱性を実現。ムラのない正確な温度分布の実現により、作業効率や品質向上が期待できます。

装置の稼働率の向上 & 装置消費電力の削減

■温度安定時間を64%時間短縮(※実証実験に基づく)
Peacott仕様とヒーター容量分割仕様を比較。ワーク表面の温度制御の安定性向上により、936秒のサイクルタイム短縮を実現。

Peacott使用の場合、早期温度安定およびオーバーシュートが抑制でき、装置稼働率の向上と消費電力の削減を実現します。

■約20%の消費電力を削減(※実証実験に基づく)
温度均一性の向上により、ワークの端まで有効ワーク面積が拡大。必要最低限の適切な加熱により、装置の省エネルギーやサイクルタイム短縮が期待できます。

■応用事例:Peacottの熱輸送効果
面状ヒーターではヒーティングできない形状を想定した実証試験


温度ムラ・温度ばらつき・温度安定でお困りでしたら、是非ご相談ください!

■お問い合わせ
https://www.kawaidenki.co.jp/inquiry/

■Peacott 熱流制御シート(製品案内)
https://www.kawaidenki.co.jp/product/peacott.html

また、活用事例も随時展開しておりますので、ご覧ください。

■加熱ユニットの温度分布改善のご相談(Peacottによる解決事例)
https://www.kawaidenki.co.jp/solution/case052.html

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