COLUMN

2020.07.01

熱コラム

「均熱」を考え抜く

河合電器製作所は、熱に関するあらゆる課題解決をミッションとしております。

ですが、中でも「温度分布の改善」、「均熱」に関しては特に注力しております。今回は、均熱な熱盤を設計するにはどうしたらよいのか、考えていきます。

均熱を考え抜く

熱の伝わり方はヒーターによって異なる

シリコンラバーヒーターや、フィルムヒーターのような「面状ヒーター」では、均熱性を得ることは比較的容易です。

熱伝導比較

放熱等を考慮せずに単純なモデルで考えれば、シート状のヒーターの熱はこのように均等に伝わります。対して、カートリッジヒーターのような棒状のヒーターは放射状に熱が広がるため、一般的には、面状ヒーターよりも均熱性に劣ります。

しかし昇温スピードや耐熱性は面状ヒーターよりも優れています。当社の高温面状ヒーターET-600が常用400℃、電力密度8W/cm2以下に対して、当社のカートリッジヒーターは常用600~700℃、電力密度は30W/cm2を超える場合もあります。

高温!ハイパワー!均熱性!3つの要望を叶えたい

「カートリッジヒーターの高温・ハイパワーを活かしつつ、均熱性も兼ね備えたヒータープレートを実現したい」・・・

お客様より頂く数あるご要望の中でも特に難易度が高く、設計者のハートが最も燃える案件のひとつです。そこで、様々な仕様を盛り込み、対策します。

ポイント①:ヒータープレートの厚み

厚み増し

カートリッジヒーターを使用した熱板の設計において、まず重要なのは厚みです。これはイメージしやすいかと思います。
厚みが薄いと放射状の熱移動がそのまま温度ムラになって表れてしまいますが、プレートの厚みを増やすことで表面の温度ムラをなだらかにすることができます。

良好な均熱性を得るには最低でも20mm程度としたいところです。

しかし厚みを増やすだけでは要求スペックが叶えられない場合も多いです。特に大きく影響するのは、プレートの端や側面からの放熱です。

ポイント②:プレートの端や側面からの放熱

配置

これを補うためにヒーターのピッチを調整し、中心付近の熱量を比較的下げたり、(側面からみて)ヒーター両端の熱量をわざと上げたり…

あの手この手を駆使して均熱化を図ります!

こういった案件、多くの場合は設計者の経験知、カンコツにより設計されている場合が多いです。そうするとどうしても実績踏襲型の設計となり、高いレベルのご要求に対してお応えできない場合や、可否判断すら難しい、ということも有り得ます。

当社では熱板に特化した解析システムを導入しており、熱回路網法を応用した完全理論ベースの均熱板の設計が可能です。さらに設計した熱板を自社で製作・アッセンブリして温度分布検査まで行う、一貫体制を備えています。

均熱課題を解消する河合電器の新製品!(2022/8/17追記)

この均熱課題を解消すべく、2022年、新製品Peacott(ピーコット)をリリースしました!均熱でお悩みの方は、専用ページもしくは営業窓口までお問い合わせくださいませ!

■Peacott 熱流制御シート(製品案内)
https://www.kawaidenki.co.jp/product/peacott.html

■加熱ユニットの温度分布改善のご相談(Peacottによる解決事例)
https://www.kawaidenki.co.jp/solution/case052.html

■お問い合わせ窓口
https://www.kawaidenki.co.jp/inquiry/

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