2019.10.23
ヒーター紹介
ヒーターの性能を最大限生かすには?
今回は主に試験用の温度調節器として好評をいただいている「温度調節器HEATCON」についてお話したいと思います。
温度調節器HEATCON
PID制御とオートチューニング機能
HEATCONの温調計はPID制御方式となっていて、設定値を自由に変更することができます。
ただ、初期値のまま運用されているお客様も多いかと思います。
もちろん、そのままでも問題なく制御できることが多いのですが、仮に、温度が安定しない場合や、ヒーターの昇温が速く設定値に対してオーバーシュートが大きい場合等には、PID制御の設定値を見直すこともひとつの方法です。
手動で設定することも可能ですが、普段、温調計を扱わない方にはすこし難しいと思います。
そこで、ほとんどの温調計と同じく、HEATCONにも「オートチューニング」機能が搭載されています。
オートチューニングとは、設定温度やヒーターの昇温速度に応じて、最適に近いP値、I値、D値を自動で設定できる機能です。
過去にお客様との立会い試験で実施した例をご紹介します。
オートチューニング機能の実例
●昇温一回目(オートチューニング未実施)
設定温度…200℃
一回目では、200℃設定に対して20℃ほどオーバーシュートし、温度が200℃で安定するまでに時間を要しました。
こちらのPIDの値は、初期値でした。
●昇温二回目(オートチューニング後)
設定温度…200℃
PID値を最適化したおかげで、オーバーシュートは1℃まで押えられ、昇温後すぐに200℃で安定しました。
結果、オートチューニング機能により、20℃ほどのオーバーシュートが、1℃迄抑えられました。
オーバーシュートを抑えられるオートチューニング機能
上記は非常に昇温が早いヒーターでのテスト結果ですので、どんな場合でもオートチューニングが有効というわけではありません。
特定の条件において最適化する機能ですので、条件が頻繁に変わる場合には向かない等、善し悪しは有ります。
ただ、ヒーターを精度良く制御したい場合、特にヒータープレートの温度均一性を求める場合などで、温調計の設定値は非常に重要となります。
時には、オートチューニングではなく、技術者の経験知により、最適な設定値を見つけ出していくことが必要な場面もあります。
当社ではHEATCONの操作方法はもちろん、温調方法も含めて広くサポートしておりますので、まずはお問合せください。