2019.12.19
ヒーター紹介
万能!セラミックヒーターの世界
本日は窒化ケイ素ヒーター(セラミックヒーター)のご紹介です。
Si3N4という、非常に耐久性の高い素材を使用した、ユニークな製品です。
窒化ケイ素ヒーター
万能!貴方の知らない(?)セラミックヒーターの世界
https://www.kawaidenki.co.jp/product/nitride.html
- 最高使用温度:1000℃
- 最高電力密度:150W/cm^2
高い耐熱性と急昇温を兼ね備えたヒーターですが、さらに特徴的なのは、そのアプリケーションの豊富さです。
米粒大からφ400まで、あらゆる形状に加工できます。
セラミックヒーターというと、購入ロットがすごく大きいイメージを持っている方も多いと思いますが、スタンダード品であれば1個から対応できますし、特注でも最低ロットは10個程度です。
本日はその豊富な使用方法の中から、一部をご紹介したいと思います。
包装機用アプリケーション
①ヒーティングカッター
包装機の熱シールは金属ブロックにヒーターを入れて加熱する方法が一般的ですが、Si3N4の強度を生かして、ヒーター自体をシーリングツールとすることが可能です。
金属に比べ熱質量が小さいため、立上げ時間が非常に速く、包装中の温度低下も起きません。
時間効率を上げ、歩留まりを向上させることができます。
②リングヒーター
カップシーラー等に最適な形状です。
ヒーター本体を高温に保っておき、カップの縁を一瞬だけ接触させてシーリングする…といった使い方ができます。
包装機用ヒーターの使用温度は200~300℃程度と、セラミックヒーターとしては低温域ですが、小さな質量・高い昇温スピードを生かして、大量・高速にシーリングを行っても、ちょうど良い温度をつねに保つことができるのが強みです。
液体加熱・蒸気発生器用アプリケーション
スクリュープラグ付とすることで、液体中に投入して使用できます。
液体中での電力密度は70W/cm^2と、投げ込みヒーターとしては破格の出力。
例えば、タンクで水をあらかじめ加温してから流すような使用方法を取っている場合、加温時間を短縮できるだけでなく、いっそタンクを無くして流路で加温するような構造とし、装置の省スペース化を実現することもできます。
また、窒化ケイ素はほとんどの薬液に対して腐食が起きないので、メタルヒーターでは腐食してしまうような過酷な環境でも安定して使用できます。
半導体製造装置用アプリケーション
①シリコンウェハ加熱テーブル
窒化ケイ素ヒーターの使用実績は半導体製造装置向けが最も多く、全体の3割程度を占めます。
中でも、ウェハ加熱用テーブルは前工程の様々な装置で活躍しています。
選ばれる理由はたくさんあります。
- 面精度:標準10μm 特注1~5μm
▶窒化ケイ素の熱膨張率は非常に小さいので、急昇温させたり高温で使用してもほとんど変形が起きません。高い面精度を保ったまま加熱することが可能です。
- 完全アウトガスフリー:超高真空でも使用実績有り。
- 温度分布:ヒーター厚みを増やしたり、複数の回路を設けて個別に温調することで、高い温度分布精度を実現。
- チャックや冷却プレート等のアッセンブリ
▶1台のウェハテーブルに様々な機能を持たせることにより、生産工程の効率化を図ることが可能。
・・・等々。
半導体製造工程の高度なご要望に対し、高い水準でお応えすることができます。
②チップヒーター
ボンディング工程等で使用できる、超小型のヒーターです。
標準品の中で最小7×3×1.5mm。特注によりもっと小サイズの製作も可能です。
また、写真のようにバキュームチャック用の加工を施すこともでき、1台でチップの吸着・加熱を瞬時に行えます。
1000℃以下の温度域ならば不可能はない…と思わせてくれるような製品ですね。
従来のメタルシースヒーターやシリコンラバーヒーターなどのラインナップへ、窒化ケイ素ヒーターが加わることで、さらに多くのお客様のニーズにお応えしたいと思います。
ぜひご検討ください!